日刊編集後記


2015/6/5

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将棋の加藤一二三九段がテレビで人気者のようですね。しばしばいろいろな場所で見聞きします。神武以来の天才と称され、数々のタイトルを獲得し、最年長で現在も若手を倒すなど、現役で活躍をしている将棋の大先生でありながら、おもしろいことを言うおじいちゃん、というギャップが受けているのでしょうか。それはそうだと思いますが、それと同時に、やはりその人間性の深みが視聴者に伝わるからこそ、これほど支持をされているのだと思います。先日引退された加藤峻二さんにも通じるところがあると感じるのは私だけではないでしょう。

加藤九段の今の姿は、自分の中の芯が硬くてしっかりしていれば、年齢などいくつになっても変われるということの素晴らしい見本のように思います。加藤九段自身も、新しい環境に置かれた自分を楽しんでいるようで、そこもまたいいですよね。

加藤九段(=ひふみん)のツイッターをフォローしていますが、しばしば、いま里親が見つからないと、殺処分になってしまうという犬や猫の写真がタイムラインに現れます。これを見るのは精神的にかなり厳しいものがあります。しかし、それは発信している加藤九段自身も同じこと。かつて、野良猫にえさをやるなというマンション住人と対立して裁判まで行った、心の底から尊敬できるその魂を、受け止めるべきだと思っています。ひふみん人気が、ひとつでも多くの理不尽に奪われていく命を救う役に立つことを、心から願っています。

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from ミズムラ

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