日刊編集後記


2014/12/12

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先日、友人のスポーツ紙記者から、シーズンオフのメジャーリーグよもやま話をいくつか聞きました。その中で驚いたのは、チームドクターは無給という人が珍しくないということ。たいていのチームには6人も7人もいて、選手が故障すると3人ほどが検査をして意見を出し合うことが多いそうです。保険制度が日本とは大きく異なるアメリカでは、一般では「患者の3割負担」などという常識は通用しません。簡単な手術でも何千ドルもとられたり、日本人が出張中に1日入院しただけで数百ドル取られた、などというのはよく聞く話。しかしメジャーリーグのチームドクターはほとんどが地元富裕層が訪れる病院の医師で、無給でも成り手が後を絶たないのは「いい宣伝になるから」だそうです。そんなドライな顔を見せる半面、彼らの多くはボランティア活動にも熱心で、選手の福祉施設や難病患者への訪問などにも自分の意志で同行するとか。「ドライなところとウェットな部分がごく自然に混在しているのが彼らの魅力」とその友人は言っていました。

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from ヤマケイ

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