日刊編集後記
2014/6/19
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浜名湖グラチャンが近づいてきた。浜名湖といえばウナギが名物だが、実は現在の浜名湖では、ウナギの養殖はほとんどしていないという。過日の報道によれば、国際自然保護連合により、ニホンウナギが準絶滅危惧種に指定された。法的拘束力はないとはいえ、稚魚の取引などがワシントン条約で規制されると予測される。最近の価格高騰は、稚魚そのものが獲れなくなっていることが大きいが、浜名湖の関係者によれば「元々養殖に相当な手間がかかるのも一因」らしい。実はニホンウナギでなければ、ウナギは割と大衆的な魚だ。ロンドンの下町ではゼリー状のソースをかけて食べる料理が有名で、かのベッカムも大の好物だという。個人的にはポーランドの古都・クラクフで食べたソテーが記憶に残っている。東ヨーロッパでは内陸の淡水魚としてポピュラーらしい。よく言えば肉厚だが、日本人には硬くて、それほど口には合いそうもない食感ではあった。さてニホンウナギが口に入らなくなれば、“代用品”が話題にもなる。アナゴがその筆頭だが、こちらは代用品扱いは失礼かとも思う。ダークホースはナマズで、こちらは世界的に見ても資源が豊富で、栄養価や味覚的にもウナギに劣らず、また養殖がウナギよりずっと簡単で安価で済むとのことだ。
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