日刊編集後記


2014/1/14

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昨年の秋から今年の正月にかけて、百田尚樹氏のベストセラー「永遠の0」の映画化が話題になり、実際に大ヒット中らしい。本屋でも特攻やゼロ戦についての研究・関連本が多数平積みにされている。個人的には私も以前から、特攻に関する資料や書籍、映像などを漁り、またここ数年でも鹿児島の知覧特攻記念館などを訪ねてきた。
そこでひとつ気になったのは、「(イスラムの)自爆テロとは根本的に違う」という言葉だ。確かに被害を与える対象は、特攻が敵国の軍艦や武器だったのに対し、自爆テロは(敵対する国や思想の)一般大衆という違いは大きい。しかし身を挺する当事者たちの精神構造は、果たして「根本的に違う」のだろうか? ここで難しいことを延々と述べる気はないが、ソチ冬季オリンピックが目前に近づいてきて、ロシア国内では頻繁に自爆テロが発生している。オリンピックで悲劇が生まれぬことを願ってやまない。

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from ヤマケイ

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