日刊編集後記
2013/11/4
当欄のまっつんさんはキンドルで読書するそうですが、私はまだまだ紙の本じゃないと、読んでいる気がしないです。ニュースやコラムなんかは電子機器(!)で読んでも別に違和感はないのですが、小説や長いノンフィクションとなると、やっぱり紙の本じゃないと落ち着かないんですよね~、残念ながら。
小説といえば、先日読んだ、いわゆる社会派ミステリ、あるいは経済小説とでも言うのかな、その本に妙に親近感を覚えてしまいました。いや、内容は正直、カタいんです。あれこれ話も絡まっているし。ただ、その主人公が住んでいるところが、私の住まいからえらく至近。てか、ほとんど向こう三軒両隣のうちどれかじゃないかってくらい。
なにしろ主人公が家に帰る描写からして、私が帰る道そのもの。「駅を出て踏切を越え、学校を過ぎ…」なんて記述があったのですが、私はつい、本当はかなり長く踏切で待たされるはず、なんてツッコミを入れたくなりましたです。他にもいくつかの店鋪のことが書かれてまして、私は、あ、あの店ね、とか、そこは潰れて今は別、などなど、いちいち反応してしまいましただ。いやあ、ふだん物語を読むときよりも、鮮明に情景が頭に浮かびました、って当たり前だけど。
でもって、「その道を左に折れたところの建売」って、それマジでウチの近く。あの家のことか、と思わず外に出て確認に行こうかと思ってしまいました。まあ小説家は、現実の状況に限りなく近く描きつつ、もちろん実際の家とは重ならないようにしてるんでしょうが、この小説を「あの家」あたりの人達が読んだら、確実に「ウチか、ひょっとして隣?」と思うでしょうね。
とまあ、こんなに身近なところが描写されている小説は初めてでしたので、妙に親近感を感じた次第です。でも、今ちょっと思い出そうとしたんですが、主人公の名前が出てこない。てか、最後、どうなったんだっけか? アレレ…。
ってこんな時、まっつんさんみたいにキンドルに入れておけば、すぐ確認できていいかもですね。私も電子機器読書を考えてみようかな…、と読書の秋に思うのでした。
ところで今年、秋はあったのかな。