日刊編集後記
2012/12/27
やっとというか遂にというか、JBC(日本ボクシングコミッション)が「IBF」と「WBO」の公認を発表した。この二つはボクシングの統括団体で、日本ではずっと「WBA」と「WBC」しか認められていなかったのだが、一挙に4つの団体の世界戦などが公式の試合として見られることになる。もちろん異論は出まくりである。ただでさえウェイトのクラス細分化で世界チャンピオンがおびただしい数になり、少々のファンでは名前も知らぬ世界チャンピオンが誕生しているのに、さらに2団体を公認するわけだから。ただし、日本人のファンは「WBA」と「WBC」にしか親しみがないので、これまではこの両団体以外はマイナーなチャンピオンと評価しているフシがあったが、世界のボクシング事情に詳しい人から見れば、それも「井の中の蛙」ということらしい。実際のところ、「IBF」や「WBO」にも強いチャンピオンがいる。そこで最近は、いわゆる“統一チャンピオン戦”が流行っている。各世界チャンピオンともプライドがあるし、それと同時に、1団体のチャンピオンでもろくに食っていけない選手が続出しているからだ。大晦日には、ボクシングの世界タイトルマッチが5試合も組まれているが、「世界チャンピオン」の座がどんどん軽くなっていくのは寂しい。