ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

サンケイスポーツ杯(令和元年11月9日)

白井英治 イン逃走 今年7V


3897白井英治(山口)

7日間のロングランシリーズだった若松ボートの「サンケイスポーツ杯」は9日に優勝戦が行われた。1号艇で人気を集めた白井英治(43歳=山口)がインから先マイ。4コースからマクリ差してきた4号艇の永井源を振り切って1着ゴール。今年は7回目、当地では5回目の優勝を飾った。

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長い。長い7日節。波乱の日もあったものの、最終日12Rの先頭を走っていたのは、身長173cmの今節の主役だった。

序盤だけは不安要素もあった。前検時計は下から数えたほうが早かった。回り足系が怪しそうで、舟の向きが悪く、本人のコメントはピリッとしない。それと、スタート勘も問題があった。5、6、4、4が、初日~2日目の4走のS順である。初日ドリーム戦も絶好枠1号艇で、3着と取りこぼして、波乱を提供する形になった。

ただ、そこは勝率8点レーサー。中盤3日目から準優までのS順は、1、2、2、1、1、4、1、1。きっちりと修正してきた。足については、回り足だけは微妙そうだったが、行き足、伸び、出足は納得していた。

4日目後半、5日目、6日目は圧巻の5連勝で、勢い◎で優勝戦の白カポックに袖を通した。もう横綱は完調だった。

V戦はインからコンマ14。ほぼ1艇身の確実なS。ダッシュ3艇はゼロ台、特に4コースの永井がコンマ05の気迫の踏み込みだった。ただ、マクリ一気とはいかない。1マークは、白井が伸び返してイン先マイ。豪快モンキーで先制。マクリ差し狙う永井を振り切って、バック直線で先頭に立っていた。

1周2マークで懐が空いたが、それでも逆転は許さず、その後は徐々にリードを広げていって独走ゴール。通算91回目の優勝を決めた。「先に回れればと思っていた。勝てて良かったです」。ピットに戻ってくると、笑みも見せつつ、そう振り返った。

SG初制覇の思い出の当地では通算5回目の優勝。気づけば、メモリアルでの悲願達成から、もう5年だ。

次走は戸田のGⅢ。その後は、津と福岡のGⅢへ向かう。

今年6月の多摩川グラチャン準優で痛恨のフライング。その後SGレースは4節除外。休み明けから3カ月はGI、GⅡにも出場できない、というペナルティを受けている白井。一般戦やGⅢが主戦場。ただ、現在賞金ランキングは9位。先月、下関で完全優勝した際には、今欲しい物を尋ねられ「黄金のヘルメット」と答えた。

白井の視線はそこに向いている。

雨が降って蒸し暑く、まとわりつくような空気だった頃から、時は過ぎていった。季節も変わった。

長い期間、SGからは姿を消したが、年末の大阪、大舞台で返り咲く。

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(文:吉川)


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