ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

ギラヴァンツ北九州杯(平成28年10月31日)

前田将太 イン逃走V!


4504 前田将太(福岡)

若松ボートの「ギラヴァンツ北九州杯」は31日、優勝戦が行われた。1号艇・前田将太(28歳=福岡)が1コースから好スタートを決めて1マークを先制。思い切ったスピードインモンキーを繰り出し、差しもマクリも許さず先頭に立ち優勝。昨年9月の江戸川以来、約1年1ヶ月ぶりの久しぶりの美酒。今年はF2を背負い、苦しい思いもした1年だっただけに格別の味となった。

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両手を高く上げて振った。

レース後のウィニングラン。1階の水面際に集まったファンはもちろん、スタンド2階席などにいるファンの声援にも応える前田の姿があった。低速でボートを流して、地元ファンと共に優勝の余韻に浸った。

格別の味だった。「本当に嬉しい。ウィニングランは1年以上ぶりだし、ゆっくりとやらせてもらいました」。ピットに戻ってくるとそう話して、満足そうな表情を見せた。

優勝戦は1番人気に応えて、インから押し切った。「1マークは差されたかと一瞬思いましたけど、思い切り握って回った分、前に出てましたね」。前田のスピードインモンキーと、相棒13号機のパワーで、他者を封じた。

今節はドリーム戦1号艇で勝ち、予選をトップ通過、そして優勝。今節の主役として、きっちりと期待に応える姿はたくましかった。

ただ、コンマ06(S順は2番手)のスリット写真を見ながら「怖かった」と苦笑い。ホッと胸をなで下ろしていた。今節初のゼロ台。3、4、5コースの艇がゼロ台スタートを踏み込んできて、インの前田もそれに応じて鋭いスタートとなった。

優勝戦こそ早かったが、最近の前田はスタートに慎重だ。ハナをきるようなことは少ない。今節、トップスタートは0回だった。初日から準優までの平均Sはコンマ18。それでも優勝を取ってみせるのだから、前田のターンさばきはさすがではある。

今年前半、前田の姿を見かけないと感じていた人もいるだろう。前期はフライング2本。そのため、今年上半期に合計3ヶ月をも休んで、はがゆさを味わった。「(F休みは)反省の日々でした」と下を向いた。だからこそ、今節の優勝はいつもより染みた。ウィニングランで高く上げた両腕が、その喜びを表していた。

フライング、そしてスタートと向き合った一年。マイナスだけじゃない。これもまた、前田将太の糧となるのだろう。

さあ、この優勝を機にリズムアップといきたいところ。

11月は桐生、蒲郡とナイター水面連戦だ。「暗いのは苦手」と言って笑いを誘うが、帰路につく足取りは軽そうだった。

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(文:吉川)


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