ボートレース若松優勝選手
テレボートカップ・第14回JLC杯争奪ナイター王決定戦!!(平成27年2月4日)
イン速攻! 前本泰和がナイター13V
若松ボートの「テレボートカップ・第14回JLC杯争奪ナイター王決定戦!!」の優勝戦が4日に行われ、断トツの人気を集めた1号艇の前本泰和(42歳=広島)が、インから好スタートを切り、的確にイン逃げを決めて快勝。期待に応えるさすがの走りで、今年最初の優勝を飾った。ナイターレースでは13回目の優勝。
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プロである。
堅実に着を取って正確に上位進出。安定と信頼の前本が、今年1つ目の優勝を掴んだ。
初日ドリーム戦メンバーの大駒・原田幸哉、石川真二、三嶌誠司、徳増秀樹、水摩敦らV候補が準優で次々と姿を消して、全体的に混沌としていた今節。そんな中、ドリームメンバーで唯一優出を決めたのが前本だった。原田、石川、徳増が苦戦したのは機力不足な部分が大きかったのだが、この男も決して大した足じゃなかった。「出足が少し上向いたが、よくて中堅」。足を褒める言葉はほとんど出てこなかった。それでも、黙ってきっちりと結果を残す。機力が威張れない時でもさばいて勝ち上がってくる。以前、7場所連続Vの偉業をやってのけたのはこの男だった。さすが優勝への道を知っている。
優勝戦は1号艇に乗艇。地力、実績は対戦メンバーの中で前本が断然。モーターの底力で見れば、2号艇の宮嵜隆太郎や3号艇の原豊土のほうが上だっただろうが、前本は断トツの1番人気に推された。なんといっても昨年は11回の優勝、しかもすべてをインから勝ってみせたのだ。舟券を買う観衆も、前本のイン戦の信頼度の高さ、大一番でのその勝負強さをよく知っていた。オッズにズラリ並んだ低配当が、前本への期待をよく表わしていた。
それに応えるように、前本はインからコンマ12の好スタートを踏み込んでいった。スリットでまず他艇をだまらせる。そのまま高勝率のイン逃走を築き上げてV一直線。2コースの宮嵜がまた絶好の壁役になっており、これも前本には好都合だった。2番手から懸命に追走してきた原を2周目で退けて、あとは独走Vゴール。冬の夜空にビクトリー花火がド派手に打ち上げられ、前本の優勝を祝した。2着には原、3着に宮武英司。3連単配当は860円。泣く子も黙る本命決着だった。
今年最初の優勝を若松で掴み、弾みをつけて次走はGI中国地区選手権へ。その後、宮島、徳山の一般戦へ出場する予定。現在、前本は全国23場で優勝したことがあるのだが、全国制覇へ残すは徳山水面のみ。今度の斡旋で決めるかもしれないが、そうじゃなくても、この男の力を考えれば全国制覇は時間の問題であろう。
通算1着数1672回、優勝回数88回。
前本の1着数や優勝記録は次々増えていく。1走1走きっちりと堅実に走っているからこそのもの。今年も、プロの仕事がそこにある。
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(文:吉川)