ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年4月17日
GⅢ2012女子リーグ戦競走第6戦 ナイトプリンセスカップ

佐々木裕美が速攻一気V! 若松王座優先出場

写真
4045 佐々木裕美(山口)

色鮮やかに打ち上げられるビクトリー花火。それを2度3度と見ながらウィニングラン。ただでさえ端麗な顔立ちが、カクテル光線と花火の光を浴びて、さらに美しく見えた。

優勝、佐々木裕美。シリーズを牽引してきた彼女が、最後まで主役の座は誰にも渡さなかったのである。

こんな佐々木が見たかった。初日を2コースマクリで制すと、その後もイン逃げで2勝、マクリ差しで2勝(3コース、6コース)、2コース差しで1勝。センター、アウト、イン、さまざまなコースから、佐々木らしい爽快で気持ちの良い勝ち方を披露。

前走地のびわこ女子リーグは不完全燃焼だった。初日ドリーム戦は1号艇をゲットしたが、3着に敗れ、準優は大外から強引に握って攻めたが、1マークで外側にふくらみ過ぎて大敗した。その前のからつも成績はふるわなかった。

それが、今節はうっ憤を晴らすかのごとく予選をトップ通過。準優の1号艇も、全く危なげなく逃げ切り。そして優勝戦の白カポックに袖を通したのである。

佐々木のこの活躍を支える相棒エンジンもよく噴いていた。出足、伸び足ともに問題ない。「エンジンは初日から良かったです。あとは、どれだけ調整をしっかり合わせることができるか」。予選道中、乗り心地に不安を見せることもあったが、コツコツ調整して準優までには解消することに成功した。「自分なりに上手く調整できましたね」とニッコリ。

いい舟足、いいリズム。それらを崩さないためにも、佐々木は連日、自分のスタイルを変えない。ピット入りすると、誰よりも早くエンジンとボートを組んで、いち早く試運転へ飛び出していっていた。「流れを変えたくなかったですからね」。最終日も、ボートを素早く水面に降ろして試運転。そして、大一番の優勝戦へ。

「せっかくの1号艇、しっかり逃げます」。佐々木は力強くそう宣言していた。もう、余裕すら生まれているようだった。

そしてその言葉通り、佐々木は逃走を決めた。優勝戦は、伸び足の良い4号艇・井口真弓がカド4コースになれば警戒だったが、その井口が予想外のスロー3コースへ。こうなれば、ダッシュ勢の止め役に最適。センターから外の選手は、攻め手を欠いていた。そうしている間に、佐々木の鮮やかな航跡が1マークに描かれる。「(舟の)かかりが良かったので、逃げれたかなっと思いました」。1マークを旋回してバックストレッチに抜けると、すでに佐々木に敵はいなかった。昨年9月以来の優勝、そして7月の若松王座のパスポートを手中に収めたのである。

優勝戦1番人気の重い仕事を終えたウィナーは、さすがに疲れた様子で、「ホッとしました」と胸を撫で下ろした。

今節、佐々木は自分の良い流れを変えなかった。だが、女子リーグ優勝戦の流れは見事に変えてみせた。今年のリーグ戦は、第5戦まですべて外枠勢の優勝。1号艇は苦戦を強いられ、涙を流してきたのである。しかし、佐々木はそんな不利な傾向を知った上で、その流れを止めると決意してV戦に向かっていた。そこに佐々木の強さがある。ジンクスなど彼女には通用しない。

今後、佐々木は女子リーグ戦7戦、8戦にも参戦する予定だ。リーグ戦の複数優勝も十分である。そして、迎える真夏の若松女子王座。

最終日、再びビクトリー花火に美しく祝福されるのは、佐々木かもしれない。


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