ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年10月1日
GⅢ 2013女子リーグ戦競走第4戦マクール杯ナイトプリンセスカップ

重圧はねのけ、宇野弥生が若松初V! 賞金女王は射程圏内だ

4183 宇野弥生(愛知)

輝く夜の姫は弥生――。 若松ナイターを舞台に、女子45人が激突した「GⅢ2013女子リーグ戦競走第4戦マクール杯ナイトプリンセスカップ」が1日に最終日を迎えた。注目の優勝戦は、1号艇の宇野弥生(27歳=愛知)がインからスタートで若干後手を踏んだものの、気合いのインモンキーで1マークを先マイ。マクリも差しも許さず、そのままリードを広げて堂々のVゴールを果たした。今年は通算3回目、若松では初めての優勝。大勢のファンから祝福を受けて笑顔を弾けさせた。

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レースを終えた姫は、ホッと胸を撫で下ろしていた。

“スリットプリンセス”と呼ばれることもあるほど、屈指のスタート巧者である宇野弥生。彼女の切れ味あるスタート攻めはファンからの人気もかなり高い。だが、今回ばかりはそんな宇野が後手を踏んでいた。

進入3対3に落ち着いて開戦した優勝戦。インの宇野は慌てるような感じでコンマ17スタートを入れたが、それに対して2コースの小野生奈は抜群のコンマ09を踏み込み、3コース落合直子も自信のコンマ10。“スタートの宇野”よりも、隣の2艇が先行する形となっていたのだ。

「恥ずかしいスタートでした……。スタート展示でコンマ09だったので、本番は少し位置をずらして様子を見たんですけど、その必要はなかったですね」。巧者に生じた勘の狂い。まさかのスリットライン。これを見ていた観衆もどよめいていた。

ただ、スタートライン通過後の彼女は、我を失うことなく冷静に走った。「2番(小野)を見たら、こちら側にこないのがすぐ分かりました」。スリットでは先手を取ってみせた2コース小野だったが、内に締めることはせず、レバーを落として差しの体勢に。小野はよく握るタイプだが、ここは2コース差しを選んでいた。小野が攻めてこないのなら、インの宇野が先マイあるのみだった。ターンに入る角度が少しキツくなったものの、高速インモンキーを打つ。そこに覚悟はあった。「(外側に)飛んでもいいので、まずは先マイしかないと思っていましたね。そしたら、思ったよりターン出口でサイドがかかって舟が戻ってきてくれました」。今節序盤からモーターの調整は合わずに、本人も試行錯誤していたが、この一番にきて宇野の相棒45号機は強い回り足・出足を披露した。1番人気を背負う宇野の負けられない強い気持ちと、モーターがしっかり噛み合った瞬間だった。

バック直線では3号艇・落合が宇野の外側について両者並走したが、続く1周2マークを宇野がしっかりと先取りして落合を置き去りにした。「ここで優勝を確信しました」。勝負アリ。最後は水面際のファンにお辞儀をしてゴールラインへ。そして、ウィニングランはゆっくりと丁寧に。「優勝戦1号艇は緊張する」と、レース前には頬を強張らせていたが、見事に1番人気の重圧をはねのけて、全国のファンの期待に応えてみせたのだった。

今後は蒲郡のオール女子戦→宮島女子リーグ戦へ向かう予定だ。弾みをつけて連続Vも十分期待できる。今回のVで、女子賞金ランキングもボーダー付近まで浮上。年末の賞金女王出場は完全に視界に入った。

「今年はもう1回優勝することが目標です。一節一節大事に走って、応援してくれる皆さんに恩返しをしたい。これからも私らしく走ります」。表彰式でそう誓うと、若松に集まった大勢の観客から多くの拍手が送られた。ファンを魅了するナイトプリンセス。その輝きはこれからもますます強くなっていきそうだ。


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