ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年9月17日
ポカリスエット杯争奪若松おもしろリーグ第1戦

2マークで黒い弾丸突き抜けた! 清水敦揮が劇的逆転、今年3V!

4051 清水敦揮(岡山)

積極的に進入を動く選手や、ダッシュ戦に威力のある選手などを集めた若松ボートの「ポカリスエット杯争奪若松おもしろリーグ第1戦」が17日に最終日を迎えた。注目の優勝戦は、1周バック直線で先頭争いを演じた2艇がもつれあいながら2マークに流れ込む隊形に。この展開に、3番手追走していた2号艇・清水敦揮(32歳=千葉)が逆転の巧差しを炸裂。一気に先頭へ突き抜けて快勝。 劇的な逆転劇で今年3度目の嬉しい美酒を味わった。優勝戦に進入の動きは一切なかったが、それでも"おもしろい"結びの一番となった。

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迫力あるシーンの連続だった。

まずスリットライン。カド4コースから発進した佐賀の山口高志がコンマ04というシビれるスタートをぶち込んできた。「フライングじゃないのか…!?」と他の選手に思わせるほどの鋭発。初優勝を獲るための気合いが確かにそこにはあった。山口は1マークに向けてハンドルを切り、マクリを仕掛ける。

しかし、一気にケリはつけれない。インに構えた地元大将・原田富士男が伸び返してきて、簡単にはマクらせない。山口をけん制しながら、自分も持ちこたえる意地のインモンキーで迎撃する。

バックストレッチの攻防も激しくなった。外の山口、内の原田。マクりにいった勢いで、山口が先頭に立ったようにも見えたが、その内側から原田が艇を伸ばす。山口は意地でも2マークを先取りしたいので、内へ内へと締めこむ。だが、原田も簡単には艇を引かない。地元の優勝戦1号艇、そして1番人気。易々と負けるわけにいかなかった。両者の思いがバチバチぶつかり合う。そして徐々に近づく2マーク。先マイしたい山口は、もう無理矢理にでも2マークに突っ込んでいった。旋回半径などほとんどなく、2マークに対しほぼ平行。これは無謀だった。これではターンなどまともにできない。万事休す。一方、山口の相手をしていた原田は艇を引いて旋回に入ろうとするがマイシロは不十分。態勢は最悪だった。

きた。ここだ。第3の男の出番が回ってきた。漆黒の闇の中から、黒いカポックが風を切り裂く。バック直線で3番手で追撃していた2号艇・清水だった。オーバーターンしている山口と、マイシロなく減速している原田のその間を、スパッと差し抜ける爽快なハンドル。これがあまりに見事に炸裂。モーターの強い回り足もあり、あっという間に先頭へ躍り出て大逆転。勝負アリ。華麗で豪快。沸く歓声と叫ぶ実況。スポットライトは、もう彼だけを照らしていたのだった。

振り返ると1周1マーク、インの原田とカドの山口が攻め合う中、2コースからターンマークだけを見てギリギリを差し、バック直線で先頭艇がケンカする中、外側に艇をふって自分は好位置につけて旋回半径確保。そして展開をとらえるスピード差し。清水の冷静さと技が光る、そんな大一番だった。

ゴールラインでは右手を軽く上げて、心地良さそうにフィニッシュ。これで3月江戸川、6月鳴門に続いて、今年3回目の優勝となった。

次走は浜名湖一般、そして江戸川GIIモーターボート大賞へと向かう。1マークでも2マークでも、常に一撃を秘めるのが清水の持ち味。高身長で体重はあるものの、繰り出すターンは見応えあり。迫力も十分。今後もきっと、おもしろいレースを見せてくれそうだ。


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