ボートレース若松優勝選手


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平成25年9月7日
西日本スポーツ杯争奪戦競走

マクられたらマクり返す! 今垣光太郎は強い!

3388 今垣光太郎(石川)

準優ではマクられ沈められ、2着に甘んじた。優勝戦1枠コースが一転、4枠に出された。完全にやられた。だがこの男は、そのまま終わらない。準優でマクられたら、優勝戦でマクり返す。そう、倍返しだ――。 A級選手を多数集めて熱戦を繰り広げた「西日本スポーツ杯争奪戦競走」が7日に最終日を迎えた。注目の優勝戦は、4号艇の今垣光太郎(43歳=石川)がカド4コースから好スタートを放ち、内艇をマクリ一気で撃破。歓喜のVゴールで、前日準優の汚名も返上。「一番好きな水面」と言う若松で、今シリーズの大本命を背負う男が期待に応えてみせた。
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涙を流してSG復活Vを果たした2008年の若松MB記念。それから約5年。今垣が久々に、この地でウィニングラン。水面際では多くの人が「コウタロー!」と叫んでいた。多くの人が手を振って祝福していた。抜群の支持、人気。やはり、若松ナイターと今垣光太郎は、素晴らしく映えていた。

今節は主役らしい大活躍を見せた。初日から予選最終日の4日目まで、無傷の8連勝。今シリーズは一般戦とはいえ、驚くほど粒揃いのメンバーだったが、その中でも今垣はぶっちぎって得点トップ。今垣を支えた相棒モーターは前検一番時計で、パワーは十分。直線に強く、行き足◎。マクリ4発、逃げ3発、差し1発。今垣は心地良いほど順調にVロードを走った。

だが、準優でやられた。インから発進してコンマ15。これに対し、外5コースから黄色い矢が鋭く飛んできた。愛知の新鋭・大須賀友だった。この新星は、コンマ07の快ショットで一気にマクリ攻め。中ヘコみという隊形も味方して、今垣を沈めて大金星を挙げてみせたのである。

準優2着。今垣は、まったく抵抗すらできずに負けた。

しかし、あきらめるわけにはいかない。4号艇になったなら、それに応じて伸び足を強化する。そして、一撃仕様でマクってやる――。この男の目は力を失ってはいなかった。

迎えた優勝戦。直線の展示タイムは今垣がトップ。仕上がった。SG8勝、GI23勝、闘うコウタローがカド4コースに構える。そしてコンマ14の全速トップスタートを決めた。対して内3者はスピードに乗りきっていない。今垣はまず3コースの大須賀を飲み込む。借りは返す。そしてそのまま、山田康二も篠崎仁志もマクっていき1マークを先制。スローに構えた若手3人に何も抵抗させずに攻め落として先頭へ。20代の後輩にまだまだ甘いぞと言わんばかりの、今垣の圧勝劇。やはり、ここ一番の勝負強さ、勝ち方を知っている百戦錬磨の大先輩は強かったのである。ちなみに2番手ゴールは、6コースからゼロ台踏み込んで好追走を見せた永井源。不利と見られ人気薄だったこの永井の2着は、ファインプレーの拍手だった。

今垣は完全Vも見えた今節。観客としては、オール1着の優勝も見てみたかった気持ちもあるが、しかし今垣の場合は、こういう優勝のほうがファンは酔うのかもしれない。山あり谷ありの彼の選手人生。途中で一度膝をつくが、それでも奮い立ち上がる。そんなドラマチックな展開が、この男にはよく似合う。

次走は徳山GI、児島GI、住之江GIと記念レースを走る予定だ。昨年は相次ぐフライング事故でB2級に陥落、最近は一般戦回りが続いていたが、いよいよ今月から今垣が本格的に記念戦線へ。勢いは十分。いざ、反撃の秋が始まる。


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