ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年8月8日
スポーツ報知杯争奪戦競走

記憶に残るマクリ差し! 篠崎仁志が今年5V!

4477 篠崎仁志(福岡)

福岡に篠崎仁志あり! 若松ボートの「スポーツ報知杯争奪戦競走」は8日、最終12Rにて優勝戦が争われた。1周1マーク、2コースの山口剛がマクリに出る展開に、3コースの篠崎仁志(福岡=25歳)が瞬時に反応。絶妙なマクリ差しで山口の懐に飛び込むと、そのまま有利にリードを広げて快勝。SG覇者・山口を破る大仕事で、ついに今年5つ目の優勝を掴み取った。仁志のポテンシャルの高さ、そして近況の勢いを示す一戦となった。

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前検日。初めて若松に参戦してきた関東地区などの若い選手達が、目を丸くして話していた。「練習に来てる若手の数がヤバいな…!」「いつもこんなに多いのか!?」。

この日は訓練日でもあり、100期以降の新鋭世代を中心に大勢の福岡の選手が若松水面に来て練習に参加。その人数の多さに驚いていたのだった。ボート王国・福岡。特に新鋭レーサーの数はケタ違いである。

そんな福岡新鋭世代の、先頭に立つのが篠崎仁志だ。今、この男の勢いが止まらない。

6月の住之江新鋭リーグで今年2つ目の優勝を飾ると、7月にも唐津と大村で優勝。一気に4V到達。「今はすごく流れが良いんです」と、ここにきて覚醒するように荒稼ぎ。そんな近況絶好調ムードで、今節の若松に乗り込んできた。

ただ、今回は篠崎の前にSGウィナーの山口剛が立ちはだかる。エンジンを徐々に仕上げた山口が、白星をズラリ並べて予選を堂々トップ通過。篠崎は2位に食い下がりながら必死に追いかけるも、結果、優勝戦は1号艇に山口、2号艇に篠崎。エンジンは文句なしと言う山口に対し、中堅の域を出ない篠崎。オッズは、"山口1強ムード"を表していた。

しかし、今乗れている篠崎は、この劣勢ムードをはねのけた。やはり、流れはこの男にあった。

進入で、6号艇の石川哲秀が前付けにいったことで、インを主張すると思われた白カポックの山口は2コースへ。隊形は612/345。山口は30日のF休み明け……。さばきはある彼だがスタートタイミングが甘くなり、石川とほぼ同体のコンマ25。助走距離と機力の差で石川の頭を抑えて意地の先マクリに出るものの、2コースからの直マクリは角度が難しい。隙はある。そこを3コースの篠崎が逃すはずはなかった。先にターンした山口の懐へ、鋭く絶妙のマクリ差しハンドルを切る。これが見事に炸裂。"待ってました"というようなターンで山口を捕まえることに成功。バック直線で艇を並べ、そのまま2マークを有利に先取り。その後も追いすがる山口を抑え、トップを守りきり、3周2マークをトップターン。体を弾ませ、1着でゴールラインを駆け抜けていったのだった。

「6番の進入は考えていましたけど、(イン取りまでは)想定外でした。今日は展開が良かったです」

レース後、篠崎はあちこちで関係者から褒められると、「展開が良かった」と何度も言って謙遜しながら笑みをこぼした。だが、あの強敵山口を破る鋭く光るマクリ差し。展開以上に、篠崎の実力を全国の観客に印象付けただろう。今節はインからの勝利しかなかったが、この大一番でセンターから魅せてくれた。

今回の優勝で今年5V到達。ちなみに若松水面では初めての優勝。「ウィニングラン最高でした。今まで、若松で他の人がやってるとこを見てて、ずっといいなって思っていたので。今日の優勝戦、あきらめずに走って勝てて良かったです」。

当地Vでますますリズムアップした俊才・篠崎仁志。これで直近5節で4Vということになった。「今は流れがいいです。この流れに乗って、今年11月のチャレンジカップと12月賞金王シリーズ出場を目標に頑張っていきます!」。力強く言い切って若松ピットを後にした。

今後は博多のお盆レースを走り、そしてまた9月のはじめに若松一般戦を走る予定。今度は今垣光太郎や魚谷智之や今坂勝広を相手に、地元エース格として勝負を挑む。注目の一節だ。その後はGI新鋭王座など、グレードレース連戦の勝負の秋が待っている。福岡の新鋭世代を引っ張りながら、篠崎は今年下半期も全力で駆け抜ける。


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