ボートレース若松優勝選手
平成25年7月1日
BOATBoy CUP
久しぶり地元Vで復活の兆し! 平田忠則のインモンキー炸裂
若松ボートの「BOATBoy CUP」は最終日の1日、12Rで優勝戦が争われ、1号艇の平田忠則(36歳=福岡)が1番人気の期待に応えるイン逃走を披露。他艇の攻めを完全シャットアウト。地元若松では通算6度目、今年は3度目の優勝を飾り、カクテル光線に照らされた頬が緩んだ。
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途中帰郷4名。多数の不良航法、待機行動違反、転覆、妨害……。実力者だろうとSGタイトルホルダーだろうと何が起こるか分からない。そんな乱戦激戦となった5日間シリーズだったが、やはり最後にきっちりとまとめてくれたのは、初日ドリーム戦1号艇に乗ったこの男、平田忠則だった。
あきらめず、要所をおさえる平田の走りが、優勝への流れを大きく引き寄せた。
序盤~中盤にかけ、機力は決して威張れるものではなかった。ドリーム戦はイン戦だったが、大嶋一也が前付けに動いてきて、しかもその大嶋からまさかの2コース直マクリを仕掛けられ、3着に沈んだ。3日目にはもう一度1号艇が巡ってきたものの、今度は今村暢孝の前付けもあり、その今村に敗れて黒星。「エンジンは仕上がらないし、前付けもあるし。今節は1号艇の自信もなくなって弱気になっていましたね」。平田はそう漏らした。
だが、彼はその巧みなハンドルで着を懸命にまとめた。初日から準優日の前半まで1,3,2,2,3,2,2着。どんなにエンジンの動きが鈍かろうと、オール3連対だけは守る。意地でも電光掲示板だけは外さなかった。
予選は4位通過だったため、準優9Rの2枠。2コースから発進した平田は、インの選手が懐を空けすぎているところを逃さず的確に差し込んで1着。要所を外さず、1番に優出名乗り。あとは相手待ち。すると、予選2位の大嶋(準優10R)が敗退。さらに予選1位の福島勇樹(準優11R)も痛恨の大敗。大嶋や福島など、平田と逆に強力モーターを武器に暴れた面々が相次いで脱落していったのだった。予選1~3位が消え、よって優勝戦1号艇は平田のもとへ。
風が変わった。この時、平田へ向けて強く吹いていた向かい風がピタリと止んだ。そして追い風に変わった。「準優後、たしかに流れは来たと思いました。この流れを大事にして、最後は気合い入れていこうと思っていましたね」。
V戦は今節3度目の1号艇。対戦メンバーは平田のみA1級。観客からの圧倒的支持もオッズに表れていた。もう負けるわけにはいかなかった。ここは前付け艇もいない。マイペースにインから発進した平田は、コンマ09の踏み込み。そこから1マークは誰も寄せ付けない格上のインモンキーを発動。「スタートは気合いが入っていました。エンジンも最後は良くなってましたね。これまでターンを回った後に押していかなかったのが、ここは押してくれた。差されずに回れました」。大一番に合わせてしっかりと機力を上昇。そして隙のない旋回。1マークを抜けると、もう勝負は決していた。あとは平田の独走。安心して見れる勝ちっぷりで、地元若松通算6度目の優勝ゴールを駆け抜けていったのだった。
「最近、若松で優出もずっとできていなかったので、今節は優出、優勝を出来てとにかく最高です。ウィニングランの花火を久々に自分のものにしたかったですしね(笑)。また、これを味わいたいですね」
若松周年V2の実績を持つ地元の雄は、最終日に最高の笑みをこぼした。今節は苦労も多かっただろうが、ここに繋がって報われた。
「“強い平田”が帰ってきた、今年はそう思われるようになりたい」
最後にそう力強く締めくくってくれた。たしかに近年、全盛期の強さは鳴りを潜めている。本人も歯がゆいだろう。しかし勝率はコンスタントに稼いで7点オーバー。腕は確かだし、復調の気配もある。愛着のある若松水面Vから、反撃開始だ。
次走は4日からの大村GIIモーターボート誕生祭へ。ほとんど休みなしだが、この良い流れを継続する気は満々だ。大村は今年3月に一般戦を優勝している場所でもある。
復活の狼煙はあがった。次は大村水面でさらに大暴れするだけだ。