ボートレース若松優勝選手
平成25年3月29日
シャボン玉石けん杯争奪戦競走
「マクられるかと焦った」それでも中辻崇人がイン逃走V!
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もし外枠で人気薄なら舟券を買いたくなる選手が数人いる。
秋山直之、峰竜太、石野貴之はその代表格。アウトコースからの思い切りのいいハンドルが好きで、見るだけでも楽しめるし、舟券もよく取らせてもらった(特に最近の6枠秋山の活躍は凄い)。
そして、もう一人。福岡の中辻崇人もそうだ。ターンが速くて巧い。アウトからでも展開を突いてくる。弟子の松尾昂明は「中辻さんのハンドルさばきは上手すぎて、真似できません」と苦笑する。
そんな中辻が今節は、前検日に希望コースを「外」で提出した。これにより、今節はあらかじめ枠が決まっていた初日DR戦と、得点が関係してくる準優・優勝戦以外は4,5,6枠が振りあてられた。
ボートレースにおいて不利とみられる外枠。そんな枠でもしっかり勝つため。SG戦も見据えて今よりもさらに経験を積むため。中辻は自らにテーマを課し、そして勝ち上がっていった。
今節は一般戦でもあるし、彼のターン技術は抜けていた。外からでも白星をあっさりと並べてみせる。ある時は展開を作ったり、ある時は展開に応じて切り込む。4、5、6コースから6回戦って1着4本、3着2本と見事に得点を稼ぐ。予選は堂々2位通過。準優はインからきっちりと押し切ってみせて優勝戦の1枠をゲットしたのだった。
ラストは、白いカポックに身を包んでインコースから発進。ただ、スリット隊形はイン不利な中ヘコみ。外5コースから田上晋六が気合いのゼロ台スタートで飛び出し、内を締めてくるのでヒヤリとした。だがそれでも、中辻は田上のマクリを受ける前に素早くインモンキーを打つ。田上はマクリ差しに切り替えたが、中辻の高速旋回はそれを許さなかった。イン先マイから先頭でバック直線へ。後続を大きく突き放し、勝負は1マークで決まった。
「スリットから1マークまでは焦りました。マクられるかと思いましたね。でも、何とか先に回してもらったのが良かったです。勝ててほっとしました。」
優勝戦後のピット、中辻はそう言って胸を撫で下ろしていた。さすがに1マークまでは冷や汗を流したが、きっちり結果を残せて素直に嬉しそうだった。
今年は3月10日の福岡に続いて2回目の優勝。「今年もまた1走1走しっかり走りたいです」。ちなみに、若松水面には今年すでに3回目の登場で、今後は5月GWにもまた出走予定。連覇にも注目だ。さらに、7月の当地SGオーシャンカップにも出場が期待される。
ただ、その前に、次走の4月鳴門周年が間近に迫ってきた。
鳴門はイン絶対ではなく、外コースもチャンスある水面。中辻が外枠になった時、どんなレースを見せてくれるか楽しみである。