ボートレース若松優勝選手
平成25年3月7日
GⅢ2013新鋭リーグ戦競走第12戦植木通彦フェニックスカップ
地元・岡村慶太がイン戦押し切って自身初V達成!
4545 岡村慶太(福岡)
桜が開花する前に、若松水面に最高の笑顔が咲いた! 若松ナイターを舞台に、若手45人が激突した「GⅢ2013新鋭リーグ戦競走第12戦植木通彦フェニックスカップ」が7日に最終日を迎えた。注目の優勝戦は、1号艇に構えた岡村慶太(25歳=福岡)が1コースから渾身のインモンキーで他艇をシャットアウト。見事、嬉しい初Vを地元・若松で飾り、そして新鋭王座決定戦への出場切符も掴み取ってみせた。
= = = = = = = = = = = = = = =
ほんの1週間ほど前と比べると、まるで別人のような活躍ぶりだった。
若松の準地元スター候補に選ばれている岡村は、1月、2月と毎月ここを走っている。ただ、調子はどうにも良くなかった。1月の正月開催では、初日まさかの6着6着発進で出遅れ、その後に1着を並べて挽回を図るも、予選突破には至らなかった。2月の前節参戦時はそれ以上に苦しみ、思いだすと目も覆いたくなる。成績は6,4,5,3,6,5,5,4,5着。モーターは悪く、前に押していかない。ハンドルも切れない。もがきながら3着を1本取るのが精いっぱい。落胆は大きかった。
だが、岡村はそれをバネにした。悔しさも情けなさも一気に振り払うように、今節は力走を見せる。そして初Vの壁まで突き破って見せたのだ。
「今節の勝因は、まずいいエンジンを引けたことです。それで初日からリズムよく来れました。それと、やっぱり前回(2月)の若松で溜まったうっぷんを晴らしたいというか(苦笑)。とにかく今回は、勝ちたいっていう気持ちがパンパンでした!」
今節は力強さがあった。
初日ドリーム戦の4着以外は、1着6本を含むオール2連対という怒涛の快進撃。予選トップ、準優1号艇、優勝戦1号艇という"Vへの王道"を突き進んだ岡村には、たしかに勝利への執着心が宿っていた。
特にそれを見せつけられたのが、準優の一番。インからスタートを切った岡村はコンマ09の鋭発、しかし2コースと3コースの艇が大きくスタート遅れ、逆にダッシュ勢が好スタートで飛び出してきていた。完全な中ヘコみ。イン岡村は窮地に立たされたのだが、それでもそこから「攻めれるなら、攻めてみろ!」と言わんばかりの豪快なイン旋回で他を蹴散らす。完封勝利をあげたのである。エンジンパワーも確かに良かったが、乗り手の気合いも光っていた。
ラスト優勝戦も、岡村はインからコンマ12のスタートを踏み込み、イン逃げ一気で決着。「スタートはコンマ10くらいと思っていました。(優勝戦1号艇の)緊張はなかったですけど、最後まで気は抜かずにしようと思っていました」。持ち味である冷静さもここで生きた。
レース後のウィニングラン。「選手になる前から若松で見てきたウィニングランを出来て、めっちゃ気持ちよかったです。最初、スピードを出し過ぎてしまったんですけど(笑)。それでも、中学、高校の時の先輩、友達がいるのも分かりましたし、たくさんのお客さん達の顔が見れて本当に嬉しかったです!」。初優勝らしく、岡村は初々しく喜びの言葉を並べた。
若松区のすぐ隣の八幡西区出身。2009年5月に若松でデビュー。その節にいきなり水神祭を挙げ、準優にまで進出。当地準地元スター候補生。間違いなく、一番思い出のある若松で初優勝を出来たことが嬉しそうだった。
喜びはこれだけではない。この優勝でGI新鋭王座(9月桐生)のパスポートも手に入れた。初の大舞台。今から楽しみでもある。
ただ、その前に「今はまだB級なので、まず今期は絶対にA級勝率を残したいです。頑張ります!」と、本人は力を込め、気を引き締めている。3月6日時点での勝率は5.67。きっと、岡村ならその目標も果たしてくるだろう。
A級になり、いざ新鋭王座決定戦へ。楽しみな2013年。岡村の新たな物語が始まった。