ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年2月23日
第18回北九州市長杯争奪戦競走

まっこと強い男! 毒島誠がぶっちぎりV


4238 毒島誠(群馬)

好調男が若松で大暴れだ――。個性的な選手を数多く集めて注目を集めた若松ボートの「北九州市長杯争奪戦競走」。その優勝戦が23日に行われ、断トツ1番人気に推された1号艇の毒島誠(ぶすじま まこと=群馬・29歳)が、他を寄せ付けぬイン逃走で快勝。今期勝率8.10オーバーと力強く勝ちまくる男が、若松でもその実力をまざまざと見せつけた。
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「詰めが甘いのを直します!」

毒島誠は、2月12日に自身のツイッターにそう記した。

その毒島が今節に登場。「詰めが甘いと書かれていましたね」と話しかけると、「前節(下関)が納得できなくて」と言って毒島は苦笑した。前走地だった下関は4日間のショートシリーズで、初日連勝発進を決めてシリーズを引っ張ったものの、優勝戦では2着。惜しいところで優勝に手が届かなかった。それでも節間成績は、1,1,2,1,2,5,2着。途中の5着が得点に響いたものの、6回の2連対とさすがA1級らしく舟券には貢献した。ただ、本人は満足しなかった。そして悔しさと反省も込め、冒頭の一文を書いたのである。

そして始まった今シリーズ。前節の思いを晴らすかのごとく、毒島は初日から気合いの伝わる走りを見せた。

ドリーム戦は5号艇に乗艇したのだが、ピット離れよく飛び出すと2コースを奪取。インの西島義則を差しきって、大きな白星を挙げる。この時の毒島は人気薄で、3連単は1万9千円台の万舟。今思えば、今節毒島の1着でこの金額は夢のように美味しい配当だった。

2日目以降も、彼は目を見張る活躍を続けた。今節は進入を動くベテラン選手が多く、観客も記者も選手もコース取りから頭を使わないといけないシリーズだったが、「進入を楽しみたい」と毒島はこれを前向きにとらえて取り組んでいた。P離れが良ければ自分でコースを取り、逆に枠番より外コースに出された時は、熱くならずに柔軟に構えてマクリ差しや抜きなどで勝利を挙げる。毒島には高スピードと巧ハンドルがあり、どこからでも攻め抜ける選手なので、対戦相手にインファイターがいくら揃っても大した障害にはならないのだと思う。結局、初日から1,1,1,2,1,1,2,1,1着と抜群の安定感で予選トップ通過。準優もインから押し切って1着ゴール。前検ではまずまずと言う程度だった機力も、出足・回り足を中心に節一に。4日目には1分44秒3の高速上がりタイムを披露して、若松の新ペラ制度コースレコードまで更新。腕も機力もリズムも◎で、V戦の白カポックに袖を通したのだった。

優勝戦は、あっという間だった。インコースをしっかりと確保した1号艇の毒島は、コンマ15の的確スタートを放つ。そして1マークを先取り。回った後にグーンと艇が出ていき、2コース差しの深川真二を突き離す。バックストレッチで早くも単独先頭。2マークも先頭で折り返し、リードを広げ、勝負アリ。2010年6月以来、約2年半ぶりに訪れた若松で、今年初優勝をゲット。今回の優勝戦は詰めの甘さなど、どこにもなかった。

ちなみに、3連単配当金は2、3着の艇も順当に入着してド本命の520円。それだけ毒島が多く売れた証で、観客の厚い支持にきっちりと応えて見せた。

今期(11月1日~)は3回目のV。勝率は8.10をオーバーと絶好調。本人は「いやいや、たまたまですよ。今はいいエンジンをひけているので」と謙遜するが、それだけじゃないだろう。12月に唐津GIIを優勝、1月に浜名湖GIで優出。今期、今のところ10節走って8優出で3優勝という成績は、毒島のとんでもない実力と勢いをヒシヒシと感じさせるのである。

「今年の目標は、SGで良い走りをすることです」

山崎智也が昨年の賞金王を獲り、秋山直之も今月戸田GIを勝った。好調群馬勢。次に大仕事をするのは、きっとこの男だ。


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