ボートレース若松優勝選手
平成25年2月15日
山口シネマカップ男女W優勝戦
気づけば先頭、無敵の完勝。エース・瓜生正義がイン逃げ地元V!
若松ボートの「山口シネマカップ男女W優勝戦」は最終日の15日、11Rにて男子の優勝戦が争われ、1号艇の瓜生正義(36歳=福岡)が1番人気の期待に応えるイン逃走を披露。他艇の攻めをシャットアウトして、今年初優勝を飾った。若松水面では平成20年以来のV。地元を熱くした瓜生劇場は、大きな拍手で幕を閉じた。
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「うーん……、しょうがないか」
優勝戦終了後、レース結果画面を見ながら、白髪初老の男性がそうつぶやいた。
あまりに強い選手が存在して、順当決着になった時、お客さんからよく聞こえてくる言葉である。
今回がそうだった。なんといっても、一般戦の1号艇に瓜生正義なのだからである。腕は超一流、現在SGを6回優勝、GIを9回優勝、艇界を代表するスター。今節出場メンバーでは群を抜いてその実績は光り輝いていた。しかも、今回は彼のエンジンパワーが仕上がった状態。もはや、鬼に金棒だったのである。
主要スポーツ新聞各紙は、すべて瓜生をグリグリ◎の本命に推す。彼の名前があちこちで躍る。オッズもぶっちぎりの1番人気。全国各地の大勢のボートファンが、彼の優勝に期待し、票を投じた。他場を走るレーサーでさえ瓜生の走りを注目していた。今開催と同時期に、隣芦屋のレースを制した山一鉄也も、表彰式で「若松の瓜生先生の応援をお願いします」と言ってエールを送っていた。
そんな大きな期待に瓜生も応えてみせる。
優勝戦は枠なり3対3の進入。2コースの芦澤望がヘコみ、瓜生にとって壁が薄いスリット隊形ではあった。だが慌てず騒がず。ターンマークを見て高速モンキーを発動。速い。結局、握ってくる艇も差してくる艇も届かず。瓜生が他艇を完封。1マークを抜け出ると、あとは独走。悠々と3周を回り、ゴールラインを駆け抜けていったのだった。
節間成績は、1,1,1,1,2,2,1,1,2,1,1着。大主役の役目をしっかり果たして見せたのだった。
これで、通算55回目の優勝。当地では約5年ぶりの美酒。若松ではこれまでにもゴールデンウィークや正月をはじめ一般戦を走る機会は複数回あったが、準優などここ一番でスタート後手を踏んだりして敗れていた。今年はうっ憤をやっと晴らした形だ。
次走は下関GI戦、蒲郡一般戦へ向かい、そして来月中旬には平和島のSG総理大臣杯へ。今年も艇界屈指のターンを武器に、年末の大舞台へ突き進むだろう。
これからも全国各地で彼の巧技に酔った人はつぶやくのだろう。
瓜生が強過ぎて、しょうがない。速過ぎて、たまらない、と。