ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成25年1月19日
JLC CUP開局20周年記念競走

腕も勢いも◎ 前本泰和がイン逃走で初笑い


3573 前本泰和(広島)

若松ボートの「JLC CUP開局20周年記念競走」が19日、最終日を迎えた。負傷者や帰郷する者が続出したシリーズで、最終日には10万円超えの配当が飛び出したりと荒れた雰囲気も漂っていた。それでも、結びの優勝戦は1番人気に推された1号艇・前本泰和(40歳=広島)が、インからしっかりと踏み込んで他艇をシャットアウト。今年1つ目の優勝を飾り、そして若松3連覇も達成。今年の前本は1月から飛ばしている。

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この男で始まり、この男で終わった。

前検日、一番時計を叩き出す。

そして初日ドリーム戦に1号艇で登場。期待に応えてインからきっちり逃走1着。

続く2日目~予選ラストの4日目前半レースまで、冷静にオール3連対。今節は実力者でも着の出入りが激しい中で、さすがの安定感で星をまとめあげる。返す刀で、予選得点にカウントされない4日目後半レースもマクって快勝。

勢いそのままに、白い勝負服で迎えた準優勝戦もイン戦圧倒。優勝への道を1人しっかりと突き進んでいったのが、前本泰和だった。

強かった。

優勝戦はもちろん1号艇に乗艇。白カポックを身に纏った前本に、多くの観客の期待が集まっていた。「バランスが取れた仕上がり」とエンジンも良く、腕も良く、好枠。逆らう道を探すほうが、難しかった。ただ、前本にも不安材料がないわけではなかった。スタートがイマイチ掴めないようで、一節間の平均タイミングはコンマ21と鈍い。逆に、今節の平均Sがコンマ13の永田啓二が4号艇に構えていた。この永田は伸び足も良いので、穴舟券の起点はここだった。

それでも、やはりその前に立ちはだかる前本は勝負所を分かっている。ここ一番では、インからコンマ13のスタートを踏み込んでみせた。そこから艇をグイッと伸ばし、イン先マイへ。カド4コースから永田がジワリとのぞいてきたものの、弾き返して1マークをトップ旋回。バックストレッチ、続く2マークも先頭で折り返し、ここで後続を突き放して決着。当地3連続Vの偉業を達成したのだった。

レース終了後のウィニングランでは、水面際に集まった観衆のあちこちから「前本ー!」と声援が飛んでいた。それに慣れた感じでにこやかに応える前本。これが、通算73回目の優勝なのである。改めて数字で見ると、この男の凄さを感じる。

前走・宮島の正月レースでは、初日から怒涛の9連勝と気合満点で飛ばしまくっていたが、最後の優勝戦で辻栄蔵に屈して2着惜敗。完全Vを逃して悔しい思いをした。だがそれが、逆に良かったように思う。今節は肩に力が入り過ぎず、それでいて集中力も切らさずに冷静に走り切った。今年の滑り出しは上々である。

次走は、徳山のGI中国地区選手権へ。このいい流れで向かう前本に期待したい。


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