ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年11月3日
ていゆうニュース杯アダムスキーカップ

「100点です」徳増秀樹が文句なしの満点V!


徳増秀樹(静岡)

強かった。その一言に尽きる!若松ボートの「ていゆうニュース杯アダムスキーカップ」は3日、12Rで頂点を決める優勝戦が争われ、1番人気に推された1号艇・徳増秀樹(静岡=37歳)が堂々のイン逃走で優勝。今月から新期がスタートしたが、幸先良く美酒を味わった。

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前を見て、しっかりと歩を進めた先に最高の結果が待っていた。

前検で引いたモーターは、2連対率28%という低い成績の32号機だった。「足になってない」。相棒モーターに対して、徳増が最初に評したその言葉を聞いて、どうなることかと不安がよぎった。

だが、そこは現在勝率が7点近い実力者。舟足改善に向けてプロペラ調整に取りかかり、初日後半のドリーム戦は4コースから渾身のマクリ差しで1着を奪取。そこからはリズム良く、オール2連対の大活躍。不安が消えた頃にはしっかりとシリーズ得点トップに立っていた。1枠で迎えた準優勝戦もイン逃げ成功。連日ペラと向き合い、調整を模索し、停滞せずに勝ち進んでいった徳増には、勝利への執念が宿っていた。

優勝戦は1号艇に乗艇。外枠5号艇に構えた吉川昭男が「徳増君はレースが上手くて足もいい。ラクな進入にしたら、僕らに出番はない。進入から勝負する」と不敵な笑みを浮かべていた。それでも徳増は「イン取りきって、スタートしっかりいって、1コーナーをしっかりと(先に)回るだけ」と、自分に気合いを入れるように語気を強めた。ヒシヒシ感じる気合いと集中力。もう徳増の歩みを邪魔することは誰もできない。

優勝戦はやはり進入で吉川が動きを見せたが、3号艇の長野壮志郎も地元の意地を見せて強く抵抗。その間に徳増もインをしっかりと取りきる。そしてそこから踏み込んだスタートタイミングはコンマ08。周りに負けない鋭発を決め、1マークも有言実行のイン逃走劇を披露。マクらせない、差させない旋回。そのまま先頭を守りきり、最後は右手を上げ、ファンの声援に応えながらゴールラインを駆け抜けた。

「2マークはちょっとミスをしたけど、進入~スタート、1マークに関しては100点です」。油断できないコース取り、早い踏み込み合戦となったスタート、それらを見事に乗り越えた徳増の口から、今節の最高得点が出た。

「優勝戦は調整も上手くいって、今節で一番良い足でしたね。最終日は、いい時間の使い方、過ごし方が出来ました」。文句なし。仕事をやり遂げた男は充実の表情をにじませた。

これで今年は2回目の優勝、そして現在5連続で優出中と好調である。「(今年の目標は)総理杯に出る優勝回数。厳しいかもしれませんけど、ムリではないですからね。狙っていきます」。そう言う彼の視線は強かった。

良い形で幕を開けた新期。前をしっかりと見て、徳増が力強くまた歩み始めている。


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