ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年10月7日
マクール杯ナイトクイーンカップ

キター! 将来の女王候補・平高奈菜がマクって今年3V


平高奈菜(愛媛)

今度は平高がマクリ一撃だ――。若松オール女子戦「ナイトクイーンカップ」は7日、最終12Rで優勝戦が行われ、3号艇で出走した平高奈菜(25歳=愛媛)が3コースからスタート一気に内2艇を叩き沈めて快勝。夏の当地女子王座では同支部の山川美由紀がマクって勝ったが、今回は後輩の平高がその再現をするように豪快な勝ちっぷりを披露した。

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偉大な先輩に、一歩近づいた。

「ここ(若松)で山川さんが女子王座を優勝したから、私も追いかけていきたい」。準優を1着で終えた後、平高がそう言って静かに燃えていた。山川は今年8月当地女子王座を、4コースからのマクリ一撃で優勝。観客を熱狂させた同郷の大先輩である。そんな山川のように、平高も若松水面で躍動してみせた。

優勝戦は3コースから発進。今節、予選道中の平高はスタートに疑問符があり、「コンマ20のスタートなら分かる」といつも自虐的に笑っていた。しかし、それが大一番になるとワケが違った。内に構えた寺田千恵、中谷朋子が甘いスタートをいく中、平高だけはコンマ11全速のキレ味良いスタートを踏み込んでみせたのだ。

そこからは、平高の独壇場。人気を集めた内2艇を一気に絞りあげて、1マークを先制ターン。あっという間に、バック直線へと突き抜けていった。「回転を上げていって正解。ターン回りには自信があったから、あとは外から差されないように気をつけて回りました」。平高の隣4コースに構えた守屋美穂は、マクリ差しで切り込むことは出来ず、5、6コースの五反田忍、遠藤エミも出番なし。スポットライトを常に浴びる主役は、平高以外にはいなかった。

優勝戦後の表彰式では、多くの観客から祝福の声を浴びた。山川が女子王座の時に立った壇上で、そこで同じようにファンから声援を貰う。「まさかまさかと思ったけど、嬉しいです!」。レース時の鋭い視線は消え、自然と笑みがこぼれていた。

これで今年は3V。自身の通算優勝回数が5回だが、そのうちの3回を今年挙げている。

平高には我慢する時間、反省して耐える時間が長かった。大胆強気な攻めが魅力な彼女だが、同時にまだ粗削りな部分もあり、度重なる事故で苦しんできた。事故率オーバーなどで、今のところ2大会連続で女子王座出場を逃してきている。しかし、今年は8月末の女子リーグ第1戦(下関)で、1年8か月ぶりに嬉しい優勝。いきなり来年夏の女子王座優先出場権を手に入れたのだ。その後も、立て続けに9月芦屋の男女混合戦を優勝、そして今回の若松も優勝と、リズムは右肩上がり。今期はフライングもなく、事故のもとである無理な旋回も減ってきた。レース展開もよく見れてきている。

「今年の目標はとにかく無事故です」

そう言い残し、若松ピットから笑顔で帰路についた平高。今年残りのレースはもちろん注目するべき選手であるし、来年はさらに飛躍しそうな勢いがある。

山川は若松女子王座を勝った後、「若い後輩たちの活躍が、私のモチベーションになる」と語っていたが、平高にとっても山川の存在が強くなる糧。目指すは山川が立つ頂へ――。今後まだまだ成長しながら、偉大な先輩の背中を追いかけていく。


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