ボートレース若松優勝選手
平成24年9月18日
ポカリスエットカップ
川添英正が完勝!流した汗の代わりに、今年初優勝だ
台風16号の影響で1日順延した「ポカリスエットカップ」優勝戦が18日に無事に行われ、1番人気に推された1号艇・川添英正(42歳=福岡)がイン戦押し切ってV獲り成功。近況は勝率7.00に乗せる好調なこの男に、今後も要注目である。
優勝戦後。額の汗を拭いながら、川添は顔をクシャっとして笑顔を見せた。
川添らしく、しぶとく強く走りぬいてみせた一節だったと思う。ベテランが文句なしの仕事を果たしていた。
初日はいきなりの外枠2走(5、6号艇)。だが、そこはコースを1つ2つと動いて上手く攻める。そして1着2着の連対スタートに成功。その後も調整を重ねながら、1着2着1着2着と抜群の安定感で戦線をリード。気づけば予選トップ。他者を大きく突き離していた。続く準優は、台風の影響で風速10m以上の狂った風が吹き荒れる中での戦いで心配されたが、インから気合いの逃走を決めて勝ち名乗り。予選トップ~準優1号艇~優勝戦1号艇獲得という王道を、その手でしっかりと切り拓いていったのだった。
そして、優勝戦。「伸び足は普通ですけど、出足の仕上がりは良いです」と、足はスロー向きで大きな問題はなかった。ただ、懸念されたのはスタート勘。川添の今節の平均タイミングはコンマ16ではあったが、「スタートが問題。もうちょっと、前にいかないと。優勝戦は1艇身全速が目標ですけど……」と、歯切れはあまりよくない。出走前には不安な表情をのぞかせることがあった。
だが、いざ本番になるとその目標のスタートを決めることに成功した。インコースからコンマ14。しかも全速トップスタート。スリット隊形はほぼ横並びだったので、川添がインから先制。力み過ぎずにしっかりと先マイを決める。3コースの松尾昂明が握り、5コースの藤田靖弘が差しハンドルを切ったが、バックストレッチにいち早く抜け出た川添には届かず。勝負は、1周1マークで決まっていた。
「自分のイメージ通りのイン逃げが大体出来ました。エンジンのおかげもありますし、問題だったスタートをいけたことが良かったですね」。川添は、勝った後も決して威張らず、おごらず、低姿勢で優勝戦を振り返った。少しホッとした様子で、トレードマークの眉毛と目尻が下がった。
今年はこれが1回目の優勝。前回の優勝が昨年6月(三国)だったので、約1年3か月ぶりと少し間をおいてしまった。しかし、不調ではない。今年5月のペラ制度改変後の彼の調子は良い。5月1日~9月16日までの勝率は、ついに7.00にまで乗せた。A1級へ復帰ペースである。
「最近はいいエンジンをよく引いてることが大きいですね。プロペラ調整自体はそんなに得意ではないですけどね。でも、この新制度のほうが自分には合っているかな」と川添は分析する。たしかにモーター抽選はポイントではあるが、この新制度を追い風にしている今の川添は、追いかける価値がある。
次走は蒲郡のGⅢ戦へ向かう。若松と同じく、再びナイターレース参戦。調整面でもプラスに働くか。カクテル光線の中、好調なベテランが次はどんな仕事を見せてくれるか楽しみである。