ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年7月26日
スポーツ報知杯争奪ヤングスター決定戦競走

岡祐臣がリズムアップ! 渾身の逃走劇でV

写真
岡祐臣(三重)

井口佳典が今年すでにSG戦を2回優勝と、"エース"の高らかな復活で勢いづく三重支部。

そんな中ここ若松でも、三重の若手・岡 祐臣が復調をアピールだ。

岡にはまだ井口のような派手さはない。知名度も負ける。それでも、堅実なしっかりとした走りは光っている。特に、今回のような若手メンバーだけのシリーズの中では岡の手堅い走りは目を引く。大活躍の一節だった。

初日こそ4着4着と足踏みしたものの、その後は2着2着2着1着1着1着と、オール2連対と巧くまとめあげる。予選2位で迎えた準優は、インから力強くモンキーを決めて逃走一気。予選1位だった上野真之介が準優で2着になったことで、岡に優勝戦ポールポジションの1枠が巡ってきた。でも"ラッキーな1枠"ではない。岡が確実に白星を積み重ねたからこそ得ることができた白カポック。誇りある1枠だった。

このチャンスに岡も気合が十分に入っているようだった。あとは、優勝戦ももう一度逃げるだけ。

風速1m。波高1cm。ほとんど風の無い鏡のような静水面で迎えた最終日12R。1コースからしっかりと発進した岡は、コンマ09のスタートを決め、差しもマクリも許さないインモンキーを披露。穏やかな漆黒の若松水面に、誰にも邪魔されずに先頭で白い航跡を描く。「優勝戦は2号艇、3号艇、4号艇の選手の足のほうが出ている感じだったから、そこに気をつけて走りました」。岡は舟足では威張れなかったが、自慢の乗り味と、スタート付近の行き足で、他艇の攻めをしっかりと封じてみせた。「スタートは正直、気持ち悪かったですけどね」と、レース後に苦笑いを浮かべたが、インからゼロ台のトップスタートは見事というしかなかった。

優勝戦後。帰り支度をする慌ただしい時に取材をしても、岡は一つ一つきっちりと答えてくれる。頭が下がった。彼は自分の舟足をよく把握して、レース展開もよく考えている。冷静な選手である。

今年の優勝は、1月22日の三国モーターボート大賞トライアル以来2度目。プロペラ制度が5月に変更してからは初優勝となった。「新ペラ制度になって自分の調子はイマイチだったけど、この若松優勝からまたリズムをあげていきたいですね」。今年5月1日~7月19日までの勝率は5点台に甘んじていた。だが、このVを機に、最近の悪い流れを払拭しそうだ。

「三重支部の先輩選手達は強いので、自分も負けないようにもっと頑張ります」

そう語って、若松を後にした岡。決して威張らず、おごりと無縁の28歳。三重を担うような強豪選手へ――。これから、まだまだ上を目指して駆け上がってくる。


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