ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年7月4日
中間市行橋市競艇組合施行43周年記念競走

淳当な決着! 森永淳が今年4V 絶好調だ


4072 森永淳(佐賀)

前検日。レース場に入った選手達はとにかく忙しい。受付を済ませると、荷物のチェックを受けたり整理をしたり。着替えが終えれば、すぐさま身体検査を受けたり、出走表などに使う顔写真の撮影をしたり。あれやこれやでバタバタと選手達は競技棟内を動き回る。

そんな中、今節の森永淳は少し違った。他選手よりも早めに若松入りしていたので、早め早めに受付や検査などを済ませ、混雑を避けていた。写真撮影などは誰よりも真っ先に済ませる。そして、のんびりとした感じで人と話したり、缶ジュース片手にゆったりと廊下を歩いたりしていた。

なんだか、以前より動きや表情に余裕があるなぁと、その時はなんとなくそう思った。ただ、森永の直近成績を調べて、その余裕ある表情のワケが少し分かった。

最近の森永は驚くほど好調だ。本当に凄い。今年5月に新プロペラ制度が始まってから、今節の若松に来るまでに30走したのだが、そのうち1、2着が23回。2連対率は76%を超えていたのである。新ペラ制度初戦の地元唐津で優勝を挙げると、今度は平和島でVを奪取。今年3Vで若松入り。特に5月からは3優出2Vという快進撃中なのである。「新ペラ制度のほうが良さそう」と、制度改変を追い風にして爆進中のこの男。それは、表情にもゆとりがでるわけだ。

そして、その勢いは今回の若松でも止まらなかったのである。

エンジン抽選では2連対率36%のモーター(前節の周年記念では郷原章平が節間1勝)を引いた。前検から伸び足の手応えは良く、初日から2着2着1着2着と連対を外さない。大外6コースからでも1着を取る。ただ、序盤戦はどうやら伸び型に仕上がっていたために、3日目にはイン戦で負けることもあった。それでも、そこから出足系統も上昇させて、機力は充実一途。4日目5日目と森永のエンジンパワー、そして存在感はますます強くなる一方。本人からも「節一」という言葉が発せられるようになって、もはや敵なし。

予選を堂々とトップでクリアし、セミファイナル準優1号艇も難無く逃走一気。優勝戦の白カポックに袖を通したのである。

抜群の安定感で迎えた優勝戦。「舟足は全部いい」と言う森永の表情には、余裕がにじみ出ていた。風向きの変化でスタートが難しいとも言っていたが、今節の森永は大丈夫だった。

本番、インからコンマ15の1艇身スタートをきっちり決めた森永は、2コースの福来剛を壁にしながら1マークを先取り。福来、出畑孝典といったA1級が差しを狙ってきたが、ハイパワーを誇る森永はそれを許さない。しっかりイン逃げ成功。バックストレッチで先頭に立ち、そのままトップの座を奪われることなく走りきった。

優勝戦後、関係者から祝福されたり、帰り際には出待ちの遅い時間まで残っていたファンから花束を渡されたりして表情が緩んだ森永。こういう良い流れで1節を終えるから、また次節も良い流れがくる。好循環の中にこの男はいるように思う。

これで今年4V目。あと1つ優勝を重ねれば、SG総理大臣杯出場も見えてくる。今はA2級の身であるが、来期にはA1級にも復帰する。

新ペラ制度になって再び花開いてきた森永。これからも多くの人から注目されるだろう。新制度で復活というより、ここからは新しい森永のストーリーが始まる。


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