ボートレース若松優勝選手


王冠過去の優勝選手

平成24年5月27日
マンスリーBOAT RACEカップ

4月も優勝、5月も優勝! 萩原秀人が近況↑

写真
4061 萩原秀人(福井)

萩原で始まり、萩原で終わった――。

SG笹川賞と同じ日程で開催となった「マンスリーBOATRACEカップ」の6日間。浜名湖の笹川賞では、初日にSG初陣の松田祐季(福井)がいきなり白星を挙げて喝采を浴びていたが、ここ若松でも、同じ福井支部の萩原秀人が初日から黙っていなかった。

5号艇で出走したドリーム戦。さすがに初日メインカードだけに優勝候補の強敵が揃っており、外枠の萩原は人気薄だった。しかし、これが実に不気味だった。昨年はSG戦線に顔を出せなかったとはいえ、萩原のポテンシャルは高い。たとえ外枠でも、この男なら軽視できないのである。

外枠に萩原がいる場合、穴党はチャンス。逆に、内枠の選手から厚く勝負したい本命党は、手を出さないほうが良策の時があるのである。

そのドリーム戦、見事に先頭を走ったのは萩原だった。5コースから鋭い差しハンドルで展開をとらえ、ダイナミックに勝ったのだった。1着12点という高得点をゲットすると共に、穴党ファンには好配当を提供。萩原の頭で2連単が10,260円、3連単が29,720円というW万舟券が出たのである。萩原の頭でこれは、今考えると信じられないのだが。

初日2着1着の船出を決めたこの男は、そこから突っ走った。予選道中では4連勝も披露し、得点ランキングは首位通過。1号艇で出走した準優も、きっちり、がっちりとイン速攻を決めて勝利。2番手追走した金子良昭に3秒以上の差をつける独走で、今節の萩原の強さ、乗りっぷりの良さを象徴したレースだった。

優勝戦はもちろん白カポック。「昨日(準優)のレースを、優勝戦でも再現できれば最高ですね」。そう言い残して、ラスト大一番に向かっていった萩原。舟足もバランス取れて十分で、絶好枠。本人も落ち着いている。こうなれば、死角はなかった。

V戦メンバーは、1枠に萩原、2枠に原田富士男、3枠に室田泰史、4枠に金子龍介、5枠に金子良昭、6枠に立間充宏。金子良が「このメンバーなら内にいれてもらえそうにない」と進入動く気配を見せず、ゆったりと枠番通りのコース取り。萩原もじっくりとインに入る。萩原にとって、2枠の原田や3枠の室田がしっかりとコース主張するベテラン達だったので、それもプラス材料だったかもしれない。

注目のスタートは、若干4、5コースがのぞいたものの、3コースの室田にひっかかった。その間に、1マークはインの萩原が高速モンキーを発動。速い。差しを狙った原田や、外握った室田も寄せ付けず、横綱相撲。徐々に後続を離し、V奪取成功。4月に続いて、今年2回目の美酒を味わったのであった。

レース後、「室田さんに合わせていけば、スタートは大丈夫でした」と、先輩をたてながら笑顔を見せた萩原。たしかに、スタート巧者・室田は、萩原にとって良い目印だっただろう。室田も、福井ワン・ツーを決めれて笑顔を見せていた。

優勝戦は、主導権を渡さない強い勝ち方に見えた。ただ、萩原は首を傾けた。ターンや舟足などいろいろと本人には納得できない部分があったという。優勝戦の自分の走りに点数をつけるなら「100点満点で80点です」。優勝しても、決して簡単に満足しないのがこのクラスの選手の証なのだろう。

それでもやはり、優勝して帰り支度をするウィナーは嬉しそうだった。今後、萩原は31日から地元三国のGIレースが待っている。3月に同レース場のGⅡでは優出も果たしているだけに、次のGIへの期待も膨らむ。走り慣れた地元で、内からも外からも、萩原らしい切れ味あるレースが見れそうだ。若松で優勝して意気揚々としていただけに、序盤で波に乗ってしまえば、秘める爆破力で一気に主役に躍り出る可能性はある。初日の萩原に注目である。


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